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  • 奥深き「くろず」の世界
  • 2015年3月26日

    奥深き「くろず」の世界

    黒酢ブームの先駆けであり、日本でたった一軒、江戸時代から受け継ぐ「壷づくり」という伝統製法を守り造り続けている坂元醸造。
    4月10日(金)・11日(土)にはイベントを開催いたしますので、その奥深き「くろず」の世界をご堪能ください。詳細はこちら。

    黒酢の里

    鹿児島県霧島市福山町は、江戸時代から続く「黒酢の里」。雄大な桜島と、錦江湾を望むこの地は、一年を通じて温暖で、火山灰の大地から湧き出る大変良質な地下水に恵まれています。藩政時代には米の集散地として栄え、さかのぼって豊臣秀吉の朝鮮出兵時代には時の藩主が朝鮮の陶工を薩摩藩に連れ帰り「薩摩焼」が完成されていました 。つまり、福山には酢づくりに必要な材料と環境が身近に揃っていたのです 。

    ずらりと並ぶおびただしい数の壺。ここが黒酢工場。屋根はなく、「200年前から使っている薩摩焼」「かつてオーダーした韓国製や台湾製の壺」「近年特注した信楽焼の壺」が海風と太陽を浴びて立っています 。
    昔は各地でこのような光景を見ることが出来たのかもしれませんが、現在、このように日の当たる場所に原料を仕込んだ壺を置いて酢を造る「伝統製法」を江戸時代より連綿と守り造り続けているのは、日本で唯一、今回ご紹介する「坂元醸造」のみとなってしまいました。

    壷の中は小宇宙。
    「プチプチ」「ゴーゴー」壺の声を聞き、発酵状態を確かめる。

    伝統製法の壺づくりの黒酢は、その製法も効能も科学がすすんだ現代にあってなお不思議に満ちています。
    原料は前述のとおり、たったの3つ「米麹」・「蒸し米」・「地下水」だけですし、そして、仕込みの方法も原料を壺に順番に入れて最後に再び米麹を振るだけ、とシンプル極まりない。(余談になりますが、シンプルといえば、道具も実にシンプルかつ素朴なのです。職人の手には先が三つまたに分かれた「かくはん棒」とよぶ竹の枝1本。山で各自が好みの形をした枝を選び加工したものなのだそう。)
    壺の中の小宇宙は未知にあふれています。確かに言えることは、この福山町という土地の壺という小さな工場の中で微生物たちがせっせと仕事をしていているということ。そして、この壺を別の土地へ運んで仕込んでも発酵しないということ。日当たりのよい場所を選んだとしても。
    仕込んだ原料は、壺に住み着いた微生物と太陽エネルギーにより【糖化】→【アルコール発酵】→【酢酸発酵】→【熟成】 という複雑な発酵過程をたどり、黒酢となります。これは世界でも非常に珍しい製造方法であり、なぜ壺に入れっぱなしで酢が出来てしまうのか?そのメカニズムは今日の科学をもっても未解明の部分が多いのだそうですが、「素朴で昔ながらの古い製法」は、一方で、化石燃料は使わず太陽エネルギーを使い、産業廃棄物も出さない環境にやさしい21世紀の産業といってもおかしくないほど「実は新しい」。

    ここまでの説明を聞くと、黒酢は天の恵みで、人間は何もしなくてもいいのだという錯覚に陥りそうになりますが、そうではありません。壺が並ぶ光景を愛情をこめて「壺畑」と呼び、そして、仕込みから収穫までを「子育て」と呼ぶ愛情の深さ、壺の肩に手をおき、耳を澄ませる職人達の繊細な仕事を見れば一目瞭然です。
    隣り合う壷でも成長 速度は異なります。彼らは毎日、ひとつひとつ壺の声を聞いてまわり、手のひらに伝わる温度や匂いなど五感を働かせて中の様子を知り、竹の棒で液面を突っつき顔色をうかがい、必要に応じて手当をします。「黒酢づくりは子育てと同じ」なのだそうです。収穫までの間、最低でも1年間、毎日壺を見守り育て、やがて「収穫」の時期を迎えますが、日数や数値で製品を管理をするのではなく、職人が黒酢と対話をし、すべてを決めていきます。

    201520326_compare
    仕込みは春と秋の2シーズン。短いものでも1年間は壷の中で寝かせ、その色は熟成につれて次第に黒みを増していきます。

    黒酢は「くろず」

    健康ブームで「黒酢(坂元醸造では「くろず」と表記)」の体への効果効能をご存じの方は多いと思いますが、熟成年数を経るにしたがって色が黒くなる酢、この純米酢を「黒酢」と命名したのは実は「坂元醸造」だということもご存じでしょうか。

    黒酢ブームの先駆けで、注文に生産が追い付かないほど人気の壺づくり米酢の「くろず」ですが、4月10日(金)・11日(土)の2日間、坂元醸造の方にお越しいただき試飲・販売会を行います。

    そして、初日4月10日(金) の夜は特別に、「坂元のくろず」の中でも、一年にほんの少ししか造れず、今年はすでに完売となってしまった大変希少な「くろず」をご賞味いただけるイベントを開催いたします。
    歴史や製法のお話はもちろん、フランス・イタリアのヴィネガーやバルサミコ酢に負けない世界に通じる味「くろず」の楽しみ方を、試食やレシピを交えてご紹介いたしますので、お気軽にご参加ください。


    試飲販売会/イベントの詳細

    ■試飲・販売会
    4月10日(金)・11(土)

    ■イベントのご案内
    【日 程】:4月10日(金) 19:00~21:00
    【場 所】:THE COVER NIPPON店内
    【定 員】:先着30名
    【参加費】:1,000円(税込)※店頭でお支払ください。
    <試飲・試食の一例>
    ・希少な「くろず」の試飲 ・鹿児島ではポピュラーな「焼酎」+「くろず」 ・「アイスクリーム」+「くろず」 ・家庭でつくる保存食 など

    ※お申込み受付は先着順となります。定員になり次第締め切りますのでお早めにお申し込みください。
    ※申込みは締め切りました。

    坂元醸造株式会社

    201520326_campny創業は1800年頃(江戸時代後期)。鹿児島県姶良郡福山町(現在の霧島市福山町)にて、壺を使用した米酢の製造を始める。太平洋戦争前には24軒の醸造所があったが、戦中戦後の米不足と安価な合成酢の台頭により、ほとんどの業者が廃業を余儀なくされる中、坂元海蔵がただ一人、その伝統製造技術を守り続けた。海蔵は将来を危ぶみ、息子昭夫(現会長)には稼業は継がせまいと薬剤師の道へ進ませた。1966年(昭和41年)坂元昭夫が国立鹿児島病院に隣接して薬局を開業。父である坂元海蔵が造った壺酢の販売を試み、その後、国立病院の患者に壺酢の飲用を勧めたところ、体調が良くなったとの声を多数聞き、大学や公的研究機関などと協力して本格的に壺酢の研究を始め、壺酢の健康効果を確信。1975年(昭和50年)伝統製法で造られる純米壺酢を「くろず(黒酢)」と命名し、全国発売を始めた。「人類の美と健康に奉仕します」をモットーに、江戸時代以来200年の伝統的製法を守り続けると共に、近年では情報館&レストラン「壺畑」を開設し、研究成果を公表したり、「くろず」を使ったメニューを紹介するなど、健康食品としての「くろず」の普及に努めている。
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